ギリシャ哲学('03) シラバス
主任講師
天野 正幸 (東京大学教授)
全体のねらい
哲学(philosophy)の濫觴は古代ギリシャの「知恵の愛求」(philosophia)であるが、古代ギリシャにおいて「知恵の愛求」はどのように生まれ、成長したのか。それを解き明かし、哲学をその原点に立ち帰って理解するための手懸りを提供すること、それが本講義の全体のねらいである。
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テーマ |
内容 |
執筆担当講師名
(所属・職名) |
放送担当講師名
(所属・職名) |
| 1 |
ソクラテスの「知恵」(『ソクラテスの弁明』) |
プラトンの『ソクラテスの弁明』を手懸りにして、哲学者ソクラテスにとって「知恵の愛求」としての哲学とは、あるいは彼が愛求した「知恵」とは、どのようなものであったかについて考察する。 |
天野 正幸 (東京大学教授) |
天野 正幸 (東京大学教授) |
| 2 |
ソクラテスのエレンコス(プラトン初期対話篇) |
プラトンの初期対話篇を手懸りにして、ソクラテスがおこなった「知恵の愛求」の活動としてのエレンコス(論駮)とはどのような議論であったかを具体的に紹介し、ソクラテスの「知恵の愛求」について考察する。 |
同上 |
同上 |
| 3 |
プラトンは超越的イデア論者か |
プラトンのイデア論は、彼の弟子のアリストテレス以来、「超越的イデア論」と一般に理解されているが、このような理解には問題があり、むしろ「仮説的イデア論」と理解すべきである、ということを明らかにする。 |
同上 |
同上 |
| 4 |
仮説的イデア論(『パイドーン』) |
『パイドーン』において初めて一個の理論として提示された「仮説的イデア論」について、それはどのような理論であるかを紹介し、その内容について詳しく考察し、プラトンのイデア論の実体を明らかにする。 |
同上 |
同上 |
| 5 |
善のイデア(『国家』) |
『パイドーン』において確立された仮説的イデア論は『国家』において善のイデアの導入によって発展させられたが、その『国家』における仮説的イデア論について、「太陽」・「線分」・「洞窟」の譬揄を手懸りにして考察する。 |
同上 |
同上 |
| 6 |
イデア論の再検討(『パルメニデス』) |
『パルメニデス』においてプラトン自身がおこなったイデア論の批判的再検討を紹介し、『パイドーン』において確立された仮説的イデア論の問題点を明らかにするとともに、プラトン自身の解決の方向について考察する。 |
同上 |
同上 |
| 7 |
「エピステーメー」概念の再検討I(『テアイテートス』) |
『テアイテートス』においてプラトンがおこなった「エピステーメー」概念の徹底的な再検討を2回にわたって取り上げる。今回は、感覚はエピステーメーではないということを示す議論の意義について考察する。 |
同上 |
同上 |
| 8 |
「エピステーメー」概念の再検討Ⅱ(『テアイテートス』) |
前回に続き、『テアイテートス』における「エピステーメー」概念の再検討を取り上げる。今回は、ドクサにある限定を加えたものがエピステーメーだという考え方を批判する議論を紹介し、その意義について考察する。 |
天野 正幸 |
天野 正幸 |
| 9 |
分割法(『ソフィステース』『ポリーティコス』) |
『ソフィステース』において新たに導入された「分割法」を紹介し、この方法について考察する。また、「分割法」は『ポリーティコス』、『ピレーボス』においてどのように評価されるようになったかについても考察する。 |
同上 |
同上 |
| 10 |
イデアのコイノーニアー(『ソフィステース』) |
『ソフィステース』において、虚偽の言明がいかにして成立し得るかを説明するために導入された「イデアのコイノーニアー(結合あるいは分有)」という考え方を紹介し、その意義について考察する。 |
同上 |
同上 |
| 11 |
アリストテレスにとっての「哲学」(『形而上学』) |
『形而上学』第1巻第1・2章における「知恵」の規定および第4巻第1・2章における哲学の規定を手懸りにして、アリストテレスにとって「知恵の愛求」としての哲学とはどのような学であったかを考察する。 |
同上 |
同上 |
| 12 |
「ト・オン・レゲタイ・ポラコース」(『形而上学』) |
アリストテレスの存在論の根本前提である「ト・オン・レゲタイ・ポラコース」(「あるもの」は多義的である)というテーゼについて、『形而上学』第5・6・7巻を手懸りにして、その意味と意義を解説する。 |
同上 |
同上 |
| 13 |
本質をめぐる議論I(『形而上学』) |
アリストテレスの形而上学の精髄とも言うべき『形而上学』第7・8・9巻について、2回に分けて講義する。今回は、実体の存在の原因としてのウーシアーを取り上げ、ウーシアーの候補である基体と本質について解説する。 |
同上 |
同上 |
| 14 |
本質をめぐる議論Ⅱ(『形而上学』) |
前回の続きとして、本質の定義をめぐるアリストテレスの議論を紹介し、「定義は質料への言及を含むか」、「定義の対象はいかにして単一であるか」、「本質(形相)は普遍か個物か」、という問題について考察する。 |
同上 |
同上 |
| 15 |
論証理論(『分析論後書』) |
本講義の締めくくりとして、アリストテレスにとっての厳密な意味での「知(エピステーメー)」の概念とその獲得法としての「論証」について、『分析論後書』に基づいて解説する。 |
同上 |
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