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数学とコンピュータ('06) シラバス

シラバス科目概要
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主任講師

岡本 久 (京都大学教授)
長岡 亮介 (放送大学教授)

全体のねらい

PC(パーソナル・コンピュータ)の能力は、つい一昔前の大型計算機の能力を超えるほど発展し、他方、価格の低下は限度を知らぬ勢いで進行し、それによって人々の間に爆発的に普及してきている。しかしこのようなPCの‘電子文房具’化や‘情報家電’化の進行とは逆に、“電子計算機の高速計算能力”が、十分に利用されなくなるという逆説も生まれている。本講義は、身近になったPCの高速計算性能を活用することで拡がる数学の世界を入門的かつ包括的に講義するものである。微積分と線型代数に関する基本的な知識を仮定して講義するが、その知識があやふやである諸君も本講義を通じて確実な理解へとつなげてもらえれば、と希っている。

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 講義の概要と学生諸君の準備 本講義の趣旨と学習目標を、全体の講義を俯瞰する形で詳しく紹介し、あわせて講義の中で利用されるコンピュータソフトウエアについて、その入手方法や設定方法などについて簡単に紹介する。 長岡 亮介
(放送大学教授)
長岡 亮介
(放送大学教授)
平尾 淳一
(大東文化大学教授)
2 ビジュアリゼーション(1)
可視化で見えること
グラフを描くことは数学的な理解の基本的手法の一つである。フリーのグラフ作成ツールGnuplotを利用して「正確なグラフ」を描くことで見えてくる様々な話題(重ね合わせ、極限値、曲線、軌跡、2変数の関数の性質)や、3Dのグラフの基本概念(等高線、濃淡グラフなど)について取り上げる。 平尾 淳一 長岡 亮介
平尾 淳一
3 ビジュアリゼーション(2)
データの科学的処理
フィッティング(fitting)をはじめ、データの整理、統計分析において必須の可視化技法について、背景となる数学的な理論と実践的な利用法、限界について論ずる。 平尾 淳一 平尾 淳一
4 ビジュアリゼーション(3)
3Dグラフィクスとアニメーション
RayTracingやアニメーションを数学の立場から考える。 平尾 淳一 長岡 亮介
平尾 淳一
5 グラフィクスと数式の出版TEX(1) 数学における文書作成の実際上の世界標準であるTEXあるいはLATEXについて、その基礎概念と基本的な利用法を紹介する。 奥村 晴彦
(三重大学教授)
永岡 亮介
奥村 晴彦
(三重大学教授)
長岡 亮介
6 グラフィクスと数式の出版TEX(2) LATEXを利用する上で必須のLATEXのマクロ機能の概念を実践的に理解し、さらにLATEXでの表、図版の利用その他について述べる。 奥村 晴彦 奥村 晴彦
7 コンピュータ代数(1) 高機能な「コンピュータ代数システム」MuPADを利用して煩雑な計算処理を要する数学の問題(微積分や線型代数の話題(級数展開、線型微分方程式行列のさまざまな計算)が簡単に処理できることを示す。 長岡 亮介 長岡 亮介
8 コンピュータ代数(2) CASの提供する高級言語を利用することで、プログラミングの効率があげられることを学ぶ。インターネット時代にますますその重要性を増している公開鍵式暗号への応用を視野におき、平方剰余など、初等整数論のやや進んだ話題を取り上げる。 長岡 亮介 長岡 亮介
9 プログラミングの基本概念 数学の複雑な計算を行うとき、プログラミングはしばしば不可欠である。BASIC,C,C++,Perl,などいくつかのコンピュータ言語によるプログラミングの簡単で実際的な例を紹介する。図さえプログラム言語で表されることをPostscript言語を例にとって学ぶ。 長岡 亮介 長岡 亮介
ゲスト:
渡辺 浩
(日本医科大学准教授)
10 プログラミングの実際(1) Javaという近年話題のプログラミング言語を利用して、数学的な概念のインタラクティブな理解へのアプローチを試みる。 奥村 晴彦 奥村 晴彦
長岡 亮介
11 プログラミングの実際(2) 前回を踏まえてJavaのより進んだ利用法を講ずる。 奥村 晴彦 奥村 晴彦
長岡 亮介
12 数値計算のサブルーチン(1) 科学や工学において実際に必要とされる問題を数値的に解くときには様々な小さい問題に分解し、それぞれを解いて最後にまとめ上げることをおこなう。ここで重要なのがサブルーティーン化の考え方である。たくさん存在する数値計算のサブルーティーンの中で、もっとも典型的な例として数値積分を取り上げる。具体的な言語を離れ、理論的な問題 ― たとえば安直なアルゴリズムで計算をするとどれほどひどい失敗になるか ― 例を使って説明する。 岡本 久
(京都大学教授)
岡本 久
(京都大学教授)
長岡 亮介
13 数値計算のサブルーチン(2) 前回に引き続き数値積分の具体例を考察する。特に精度を上げるためのさまざまな工夫について少し突っ込んだ議論を紹介する。そして、日本人によって発見され、「IMT公式」や「DE公式」の名で親しまれている高精度の数値積分アルゴリズムの数学的な原理のポイントとその実際をわかりやすく紹介する。 岡本 久 岡本 久
長岡 亮介
14 差分近似の数理 差分近似と呼ばれる微分方程式の数値解法はコンピュータ・シュミレーションでもっとも重要な分野であるが、「正しい近似解」を求めるのは意外に難しい。差分近似の方法とその問題について理解してもらうために、コンピュータの父と呼ばれているフォン・ノイマンが発見した“安定性”という概念を中心に、その重要性を具体例を使って示す。有限のコンピュータ資源のもとで、精度や安定性を向上させるための数学的な工夫についても紹介する。 岡本 久 岡本 久
長岡 亮介
15 数学研究にとってのコンピュータ 数学の研究においてコンピュータがどのように活用されているか、具体的な例を示す。 岡本 久 岡本 久
長岡 亮介
平尾 淳一
その他ゲスト
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